今月のリトルな人

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今月のリトルな人は大和陽子さんです。リトルでは事務局として裏方仕事をしています

ご覧ください。

 今年の7月の誕生日に私は友人たちに第二の人生の始まりを宣言しました。特に何かが変わるわけでもないのです。ただ、自分が生まれ変わった気がして、地平線に向かって大声で叫びたい気持ち。「私は生きるぞー」と。 

 そんな大転換のきっかけになったのは、パートナーシップ講座のために産後の振り返りをしたことです。最初の子の出産の日から1年ちょっと、育児日記をつけていました。大学ノートにしっかり、その日の主な出来事を。時々、自分自身のことが書いてありました。退院数日前から悪夢を見た…。泣く子を無視して放置していた…。自分は悪い母親だと自分を責めた。私は自分がそこまで追い詰められていたとは思いもよりませんでした。ノートを14年ぶりに読み返し、a littleのメンバーに伝えると「それって鬱、決定やん」と言われてから、ふと気づいたのです。そういえば、鬱だったと思えば納得できることおかしなことがたくさん記憶に残っている。激やせしてすべての服着られなくなったこと。隙間から漏れる光で赤ちゃんが寝ないからとすべての電気を消して過ごしたこと。赤ちゃんをおんぶしながら家の掃除をし、おんぶをしながら毎晩ミシンに向かっていたこと。子どもを保育所に預け、地域の中に出て行ってからはその状態からも脱しました。

 あのとき、私は自分の状況を分かっていなかったです。最近になって夫に尋ねてみたけれど、彼もあまり覚えていなかった。ただ二人ともが「しんどかった」という記憶だけ。

 しんどかった記憶を思い出せなかったのは、しんどさを認めてしまうとしんどい自分に埋没してしまうと本能で感じたからかもしれません。夫婦で子育てを乗り切らないといけない。そういう思いこみが強かったのかもしれません。

 それが、「鬱決定やん!」と言われてからどれだけ心が軽くなったことでしょう。そうだ、そうだ。私、そうだったんだ。と自分を受け入れることができたのです。

 a littleの活動は、こんなふうに、自分のことを振り返る作業の繰り返しです。でも、それが苦しくない。今まで、たくさんのしんどさがあったけれど、ここ数年間は、一つずつに向き合い、自分の状況を受け入れることができています。それは、私が私を受け入れる作業だけではなくて、私を受け入れてくれる人・場所があるからできていることです。たくさんの出会いがあり、すべてが私を支えになってくれました。私を見守り、時には意見し、生き方を示してくれ、私を受け止めてくれるあなたのおかげです。

 私は大きな気づきを得て、今、エネルギーが充たされています。そう、私は、香櫨園浜に向かって、大きな太陽に向かって叫びたい。

「私は怖くないよー、私は私の人生を生きるよ」と。

今すぐ砂浜を駆け抜けたい気持ちだけれど、今日は気分だけにしておきます。a littleの活動は5年目に入りました。これから、自分の人生を歩める仲間がもっと増えるように、私はa littleの活動を続けます。