『a littleと出会って』

　理恵さんはa littleの活動を大きく支えてくれていたメンバーです。保育士の経験を生かしたイベント作りはもちろん、居てくれることで新しい発想を送りこんでくれました。お味噌作りに野外でのペープサート（紙人形劇）、彼女の存在がリトルの活動を豊かにしてくれました。そして何より一生懸命！そんな彼女が関東に引越しして空いた穴は本当に大きかった！！のですが・・・これを読んでもらったらさみしがってる場合じゃないぞーと元気が湧いてきました！エンパワーメントってこういうことだなって見せてくれて本当にありがとう！！
3月には仕事で生かしたいとリトルでも開いているNPO法人ムラのミライのメタファシリテーション講座を東京で受けるそうです！ますますスキルアップを続ける理恵さん、離れていても何か関われることはないかと模索してくれています。
ご覧ください。

「リトルと出会って」稲垣理恵

私は3年前の春に夫の転勤で東京から全く土地勘のない西宮市へ引っ越してきました。 子どもを産んでからもずっと保育園での仕事を続けてきていたのですが〝家族の為に〟と思い仕事を辞めました。 新しい生活の中で家族の時間を作り直そうという思いもありました。 しかし、仕事を辞めた穴は大きく、何の為に引っ越してきたのか、何をやりたいのかもわからず思い悩んでいました。

a littleとの出会いはふと目に入った近くの公民館でやっていたヨガに参加し、ゆうこさんと出会ったのが始まりでした。 子連れ参加OKのクラスで、ヨガの教室にいた赤ちゃんがとてもかわいくて、保育園で働いていた頃を思い出し赤ちゃんを抱っこさせてもらいました。子どもと触れ合うのがとても好きな事、保育士としてずっと働いてきた事を話し、a littleへ誘ってもらいました。

a littleでは、カフェやはるまつり、甲山森林公園でのイベント、コンサートでの絵本の読み聞かせ、子ども向けワークショップ、新生児の沐浴のお手伝いなど様々な経験をさせてもらいました。 中でも、私の中に強く印象に残っているのは、月に一度のa littleの会員ミーティング(→現在はボランティアdayと名前を変えて第一水曜日に集まっています)でした。集まるメンバーの皆さんは、様々な分野に強みを持っている方たちであり、女性として自分らしく生きている方たちでもありました。そんな姿や言動に毎回刺激をもらい、今まで自分の意見を言うのが苦手だった私ですが、一緒に企画していく中でこんなことをやったらどうだろうか？という自分の意見を言う練習の場にもなっていました。 また、それは子育て支援としても様々な可能性を広げられると感じられるとてもワクワクするものでした。保育園で働いていた時に感じていた親子の現状に対する葛藤は子育て支援を充実させていくことによって、未来が広がっていくと確信できました。

それでも１つ苦手なこともありました。自分の中で家事サポートをすることに抵抗がありました。託児や産後の赤ちゃんに対するケアは保育士として経験させてもらっていましたが、主婦としてご飯を作ることや家の中の掃除はやってきたものの、よそのお宅でやることに自信がなかったのです。しかし、今仕事でお母さん達の話を聞いていく中で、お母さんのニーズはプロの料理をテーブルに並べる事ではなく、なかなか周りに助けを求める環境がない中、話をじっくりと聴いてくれる存在、温かいご飯があることでどれだけ救われるか、そこだったのではないかと気づきました。なかなか自分の話を聴いてもらう機会が少ない中、一緒に話をすることでもしかしたらイライラした感情が収まって子どもを怒ることが減るかもしれない。ご飯を作ってもらうことで、もしかしたら子どもと絵本を読む時間が作れるかもしれない。それが全て子どもや親自身へ良いものとして返ってくる。それが、子育て支援の重要性ではないかと今は思っています。

1年半程のa littleでの活動の中で、最初は私は何をしたいのだろう？と自問自答の日々でしたが、そんな中で周りの方たちからいい刺激をもらい、〝自分らしく生きる〟本当の意味を見つけ関東に戻ってきました。 今は子ども達と手を繋いで散歩しているだけでも幸せを実感できるようになりました。 こちらで見つけた仕事は子育て支援センターの職員という、私にとってとてもやりがいのある仕事です。 お母さん達の話に耳を傾けている時でも、これまでの経験を生かし、〝自分のニーズ〟〝世の中のニーズ〟ではなく、今目の前にいるお母さんが求めてるニーズは何なのか？話の中に相談の本質はどこにあるのか？そこに重点を置きながら子育て支援に携わっています。

西宮へ引越しa littleと出会えたことは、私の中で大きなターニングポイントとなりました。遠く離れていても同じ子育て支援に携われていることを嬉しく思うと共に、これからのa littleの活動を楽しみにしています。

a little会員 稲垣理恵