a littleな人 Fさん

第二子出産数日後に産院にお邪魔したときの写真です。

藤さんはリトルの縁の下の力持ちというのがピッタリの存在です。人見知りで好奇心旺盛(笑)どっちやねん!と突っ込みたくなるような可愛い彼女ですが、コツコツと役割を担ってくれる信頼できる人ですこれを読んで頂くとリトルの成長の歴史も感じられますよ共に歩んできた大切な仲間です!ご覧ください。(ゆうこ)

alittleとともに

私が初めてalittleに出会ったのは、5年前の11月、alittleがおこなっていた「ワンデイカフェ」の場でした。当時、私はまだ0歳だった娘と二人で日中を過ごすことが多く、いつも「どこか子ども連れで行けるところはないかなあ」と行き場を探し求めていました。そんな時に偶然、「子育てネットワーク通信」という、西宮市の子育てに関する情報が載っている機関紙を見てワンデイカフェというものがあるのを知り、何となく行ってみたのが始まりです。

カフェは所狭しとたくさんの子連れのお母さんたちで賑わっていました。「あー、他の人も行き場を求めているんだな」と感じました。カフェ内の講座で、助産師さんや他のお母さんと卒乳の話ができたのですが、その間、託児ボランティアの方がさりげなく娘をみてくださり、おかげでゆっくり話ができたのを覚えています。その時の満足感は新鮮な感覚でした。それまで、親子で行ける場所はあっても、基本的には親子が一緒に遊ぶ所に限られていたので、それはそれで楽しいのですが、動き回る子どもを見ながらではなかなか落ち着いて話はできません。少しの間、子どもと少し離れて話ができるということはとても大事なことではないかと思いました。

その日のワンデイカフェの帰りがけ、窓ガラスにalittleのチラシが貼られているのを見ました。正確な文言は覚えていませんが、「女性の自立をめざしている」ということ、さらに、「お金を稼ぐことだけが自立?」と自立の中身を問うようなことが書かれていたと思います。単に自立=女性の就労を目指している団体ではないのだなと思い、おもしろいなと思いました。専業主婦の私は、当時、専業主婦でいることに居心地の悪さを感じ、かと言って働くことに踏み切ることもできず、モヤモヤしたものをいつも感じていました。今でもそのモヤモヤが解消されている訳ではないのですが、働くか、働かないか…そこのみにこだわるのではなく、今の自分ができることは何か、真の自立とは何なのか、今はそういうことをよく考えます。そのような視点をもたらしてくれたalittleには感謝したいし、「自立」というテーマは私自身の人生においても一つの大事なキーワードであるように感じているので、これからもずっとalittleとともに考え続けていきたいと思っています。

 alittleと出会ってからは、alittle主催のいろんなイベントに参加するようになりました。そして今は、参加するだけでなく、託児が必要な時に託児ボランティアさんたちにお願いするお仕事をさせてもらっています。最初にこのお仕事をお願いされた時は、私に務まるだろうかという不安と、子育て中の私でもできることがあるのならばやってみたいという気持ちが入り混じった複雑な気持ちでした。実際にやってみて、確かに子育てをしながら多くの人と電話やメールなどで頻繁に連絡を取り合うことが大変だと感じる時もありますが、得られているものも多くあります。ボランティアさんは様々な経験、活動をされている方が多く、普段接することのない世代の方と関わりが持てること自体が私にとっては嬉しいです。また、とても多忙であるはずの方からとても丁寧なメッセージをいただいたり、「お疲れ様、ありがとう」、「小さい子どもと触れ合えて楽しかった」と感謝や喜びの言葉を伝えられたりすることもあります。こちらがお願いしている側のはずなのに、と恐縮してしまうこともあるのですが、このようにお互いに感謝し合える関係というのは「alittleならでは」なのではないかと思うので、この関係をこれからも大切にしていけたらと思っています。

また、これまで、alittleで様々な特技を活かして活躍しているメンバーを見ていて、「自分には何もできることがない」と妙な劣等感のようなものも感じていたのですが、今は、わずかばかりでも自分もalittleの力になれているかなという気持ちでいます。子育て中でも、何か特別な特技があるわけでなくても、こうして貢献できる場があり、壁にぶつかった時には一緒に考えてくれる仲間がいるということは、とても幸せなことだと思います。ボランティアさんの人数が不足していることなど課題はありますが、託児付きで様々なイベントを行うことはとても意味があることだと思うので、これからもよりよい託児のあり方をみなさんと一緒に模索していけたらと思っています。

私が感じるalittleの魅力の一つは、ただ楽しいだけではなく、物事を深く掘り下げて人と会話できる場が多くあるところです。日頃感じている生きづらさや、モヤモヤと抱えていることなど、普段の友人との会話であればなかなか話題にしづらいことでも、alittleでは受け止めてもらえるという安心感があります。いろんな考えを持っている方がいますが、それぞれに違いを認め合い、議論はしながらも相手を頭ごなしに否定したり、傷つけたりすることはありません。

私は、二人目の子どもを妊娠中、産前の方を対象にしたalittleの講座に参加したことがありますが、その時、夫以外の人には話せずにいた出産の不安について語ることができました。その時に人と話すことによって、自分が感じていた不安についてどう向き合えばよいのかを整理して二人目の出産に臨むことができました。おかげでよいお産ができ、とてもよかったと思っています。その講座では、自分以外の参加者の方のお話も聞くことができ、お産がそれぞれの人、それぞれの家族にとって、どれほど大きな意味を持つ体験であるのかということも改めて思い知りました。

現在も、alittleでは産前・産後の方に向けたさまざまな支援をおこなっていて、今後、自分がどこまでそこに関われるのかはまだ分かりませんが、もし今後私が産前・産後の方と関われる機会があるのなら、その時は私自身が相手に対して繊細な感覚を持ち、丁寧にお話を聞くように心がけたいと思っています。

今、alittleと出会った時に0歳だった娘は5歳になり、下に弟も生まれ、幼稚園や習い事で忙しくなり、かつてのように頻繁にalittleのイベントに出かけることも難しくなってきました。今後も、私もalittleも、私とalittleの関係も変わり続けていくのだと思います。

でも、私にとってalittleは、いつでも帰れる「ホーム」のような場所です。私も夫も実家が遠く、もともと私は西宮に縁もゆかりもありません。そんな私が、何かの時には頼れる存在が近くにあるということ、そして、そこでは自分のありのままを受け止めてもらえるということがどれだけ心強いことでしょう!もともと知り合いが一人もいなかったこの土地で、alittleを通じて、たくさんの人と出会うことができました。たくさんの感動、喜び、学びがありました。私だけでなく、よく一緒に参加してきた娘もalittleを彼女の一つの居場所として認識しているようです。私たちに豊かな世界をもたらしてくれたalittleには感謝の気持ちでいっぱいです。そして、これからのalittleを思うと、とてもワクワクした気持ちになれます。私にできることはほんの少し(=alittle)ですが、人と人の繋がりを大切に、今後もalittleとともに成長していけたらと思います。