地域子育てサポーター養成講座を受講して~養育里親の視点~



里子は写真を公開できないですが家族です

野野上亮子  初期からのフラッシュ会員さん

 ある日、a little事務局長の大和さんから「子育てサポーター養成講座があるよ~(サポーターになる、ならないは関係なく)役立つ内容だと思うので良かったらぜひ」と案内がありました。詳細を読むと、確かに興味深い内容だし役に立ちそう!と思い、受講することにしました。  

 第1回は、大和さんが講師の「わかりあう&助け合うコミュニケーション」と題する講座。事実を引き出す質問をすることで、相手の抱えている課題について整理したり明らかにしたりすることができ、また、過去の成功体験や経験を思い出すことで当事者自らが問題解決の糸口を見つけ出し、自己肯定感を高め、相互の信頼感につなげることができる。これぞまさに最近、生きづらさを抱えた友人とのコミュニケーションが上手くいかず悩んでいた私のための講座だ!ぜひともしっかり学んで身につけたい!と思いました。  

 事実質問のコツとして、私たちが普段会話でよく使う「いつも」「みんな」「どう?」「なぜ?」という言葉の代わりに、「何が?」「いつ?」「どこで?」「誰と?」など、具体的な問いかけで質問することと教わりペアワークが始まりましたが、事実質問は予想よりずっと難しく、ついアドバイスや自分の話をしたくなったりする気持ちを抑えながらの対話練習でした。いかに自分がこれまで深く考えず言葉を発していたことに気づけたことが一番の収穫でした。受講後早速、悩みを抱えた友人と話をする機会があったのですが、以前なら話を聞いていても「そうなんだ…大変だね…」ぐらいの相槌しか返せなかったのが、事実質問を意識することで、お互いに事実により具体的に向き合えた実感がありました。

 第2回は、助産師の森田さんによる「お産後1カ月のケア」講座。森田さんは、産後1カ月はトイレ、シャワー、授乳などのお世話、飲食以外の時間は、「寝衣を着たまま」「お布団を敷いたまま」「横になる」ことの重要性を繰り返し説かれました。自分自身の産後を振り返ってみて、そう言われてもどうしてなのか理由がわからず、元気な時はつい必要以上に動いたりした記憶があるのですが、体を起こしてしまうと子宮も立たされてしまう、とにかく体を横に、子宮も寝かせなければ、子宮も母体も回復しないと教わり、とても納得がいきました。  

 赤ちゃんの泣きについて、新生児期は呼吸と思って泣かせていい。4kg(約2カ月)超えたら泣かないと眠れないくらいスタミナがあるので泣く。泣くのはコミュニケーション、訴えることができるようになった証拠と聞き、目からうろこでした。でも寝不足のママに「泣くのは当たり前」と言ってしまうと身もふたもないので、気持ちに寄り添ってまずはたくさん話を聞いてあげてね、と聞き、しっかりと心にとめておこうと思いました。    

 第3回は都合が悪く参加できなかったのですが、新型コロナの影響で延期になった第4回の講座を今は楽しみにしています。受講後はファミリースタートボランティアとして活動できればと思っています。

 私は、親元で暮らすことのできない子どもを家庭に迎えて育てたいという思いから、養育里親になるための研修を受け、現在8才になる実子の他に1才の里子を家庭で養育しています。母親の入院や経済的困窮など様々な事情で家庭での養育が困難となり、中長期的に施設や里親に預けられる子どもたちの中には、もしも周囲に適切な援助の手があれば親子が離れ離れにならずに済むケースもあったのではないかと感じています。アメリカの児童福祉の現場では、子どもを保護することによって親子を分離する「介入」よりも、早期に親子を包括的に支援する「予防」に力を入れるようになってきているそうです。実際に里親になって改めて、a littleが取り組んでいる家事サポートやファミリースタートの重要性に気づくことができました。子育て中の女性や家族を孤立させず、地域で支えるためのa littleの活動が、今後ますます社会全体に広がってほしいと願ってやみません。