a little な人 川崎あゆみさん

双子育児をもうやり切ったというくらい頑張ってきた彼女ですが、育児一辺倒でもなく社会の問題に関心が高く、食にもこだわっています。受容力が高く、ポジティブなので話していてもとても楽しいのです。持っている資格は看護師・保育士・養護教論・・・実務経験はないとはいえ、秘めたるパワーはすごいんです!かなりの期待の新人運営メンバーです!(ゆうこ)

a littleとの出会いは、4年前に門戸厄神で開かれたワンデイカフェでした。当時、双子の子どもたちは0歳の赤ちゃんで、私の生きがいは子育てイベントに参加することでした。子どもたちが寝たと同時にイベント欄をチェックし、手帳を埋めていた日々が懐かしいです。ネット通信か何かで見つけたワンデイカフェもその一つで、私はいそいそと出かけていきました。

門戸厄神の店についたら、小学校低学年くらいの女の子が受付に立っていました。到着した私に女の子は元気よく挨拶し、リーフレットを渡し、カフェで提供できる食事の案内をしてくれました。はきはきとしゃべるその姿に私は目を丸くし、世の中にはこんなしっかりした子どもさんもいるのかと驚きました。小学校の低学年に見えたけど、その日は平日だったので小学生なら学校に行っているはず。幼稚園か保育園の子だと思いました。で、店員の方が話しかけてくれた時に、「あの女の子、しっかり受付してて、まだ小学校にも行かないうちからすごいですね」と感想を伝えました。そしたら店員の方がにっこりして、あの子は本当は小学校1年生なんだけど、学校に行っていないんですよ。そして、うちの娘も行っていないんです。」と、おっしゃったのです。私は、あんなにも立派な子が学校に行ってないことに驚き、それを見守るおとながナチュラルに不登校の事実を伝えたことに、もっと驚きました。抱いていた不登校のイメージとあまりに違っていました。 その日、スタッフさんに子どもを抱っこしてもらったり、美味しい有機パンを食べたり、お隣のママさんとワクチンの話で盛り上がったり、めちゃめちゃリア充な時間を過ごしながら「学校へ行かないってなんだろう」と考えていました。

 その後、a littleのイベントでイエナプランやオルタナティブスクールという言葉を学びました。教育とは、私が思ってきた受け身の座学だけではないことに気づきました。実際には多種多様な教育が存在しているなかで、日本の子どもたちは学習指導要領に沿った1通りの教育のみあてがわれている、その事実に疑問が残りました。国によっては、イエナプランの学校か、モンテッソーリの学校か、またはその他かを選ぶことができるのです。それらの学校はすべて公立校です。いいなー!!そして、ある時a littleの方から本をお借りしました。タイトルは『小さな天才の育て方・育ち方』。この本が、もう!人生に何冊か、自分の価値観をぐにゃりと変えた本がありますが、まさにそれで。「学校に行かなければならない」という価値観が根底から覆りました。あのときの興奮、快感、安心感!!!一気に、学校にまつわる育児のプレッシャーがなくなりました。我が子が不登校になったらどうしようという潜在的な不安が、ずっと自分のなかにあったんです。あー楽になった。

a littleは様々な情報を発信しています。合う合わないは当然あると思うのですが、私にとっては、人生を楽にしてくれるものばかりでした。a little主催のお話会や、夜ご飯会では、たわいない会話のなかで、教育やジェンダー、政治、生きがい、などが話題に上ります。私自身は、それらについて知識はありません。政治より芸能ネタの方が好きです。けど、a littleを通して、自分が日ごろ感じているストレスや不安の根源に、政治やジェンダーがあることに気づきました。気づきが得られると、興味が出て、しゃべりたくなります。

「絵本の『100万回生きた猫』って、いい話だけど、最後にどらネコが好きになる雌ネコが、美しくて、物静かなところが気に食わん。相手の話に「ええ」と「そう」しか言わないのって、不自然じゃないか?女は自己主張しなければモテると言われているみたいで不愉快じゃ!」

こんな愚痴に、a littleはナチュラル返してくれます。この絵本のこのくだりについてはすでに話し合われていたそうで、やっぱそうか!と嬉しくなりました。そもそも、a littleのジェンダー講座に出ていたことで、絵本に対して懐疑的な見方ができるようになっていたのでした。「男はこうあらねば、女はこうあるべき」こういう人々を縛りつける抑圧的観念は、絵本や歌、人々の言動で知らず知らず身についていってしまうもののようです。クリティカルな視線で絵本や歌詞をみていくと、突っ込みどころ満載で面白いです。長年に渡り、自分は可愛げがない、と思ってきた私は、もうだまされないぞ!という思いです。子どもに絵本を読み聞かせしながら、ちょいちょい「これはおかしいよねー」と突っ込みをいれてます。

 a littleのメンバーは、個性豊かだと感じます。それは、それぞれが個性を押し込めることなく、むしろ個性を際立たせて、そこに居るからなのだと思います。私もその空気感のなかで、安心して自分を開示できます。

4年間、a littleと共に子育てしてきました。癒しも、学びも、かけがえのない友人もa littleで得ました。感謝しかないです。そして今年、a littleの運営メンバーになりました。なにかハイヤーパワーに導かれてここまで来た感があります。「川崎さん、運営メンバーにならない?」「そうですね、なります~」深い考えもなく、思わず口をついて出た時の言葉は、真実だと感じます。社会経験の乏しい私に何ができるのかわかりませんが、できることをさせてもらいつつ、人と環境に優しいa littleの心魂にこれからも癒されていきたいと思います。どうぞ末永く、よろしくお願いします。