【WAM助成】内部研修のご報告

a littleは、今年度は社会福祉振興助成事業(WAM助成)を受け、「半径1.5キロで脱ワンオペ育児 ひとり親家庭への子育て支援」事業をすすめています。(詳しくは、こちらのページをご覧ください)

その中で、まずはa littleで活動しているメンバーはひとり親を取り巻く環境や状況について知る必要があります。そのために、wam助成に関わるメンバーで研修を受けています。講師は、しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西・神戸ウェストの安木麻貴さんです。先日、1回目の研修を受けました。

 安木さんご自身がひとり親歴13年のシングルマザー。平日は仕事をしながら、週末にシングルマザーのための活動をされています。研修の翌日には、シングルマザーの定例のおしゃべり会がある中、私達に時間を割いてくださいました。

 研修「ひとり親家庭の現状と支援について」から知ったことを少し紹介します。

ひとり親の現状
・10人に1.2人がひとり親
・母子家庭の6割が就労収入200万円以下
・母子家庭の9割以上が働いているが、非正規がそのうちの6割弱。

一般世帯(子のいる父)の平均年間収量収入が約671万円とのこと。ひとり親であることが理由で、経済的なしんどさを抱える子が、クラスに3名程度いる計算になります。
でも、安木さんの経験上、ひとり親であることを人に言うことはためらわれるので、周りに言っていない人も多いということです。様々な家庭環境の子ども達が一緒に過ごしていることを意識することは普段はありません。しかし、このように数字を見て改めて「子育て」「子どもの生活」の状況が家庭によって全く違うだろうと考えさせられました。

離婚を決意するまでには、いくつもの出来事が重なり、決定的になっていくそうですが、そのあとも問題はあるそうです。自分の気持ちの整理をつけること、離婚の条件の整備をすること、生活の展望、仕事、住まい。それらを整えるために情報をとり、勉強をする必要があるのですが、一人では難しい。安木さんはプレシングル(離婚を検討している状態の人)は、専門家に相談することが一番だとおっしゃいます。男女共同参画センターがその役割をしています。(西宮では「ウェーブ)西宮北口駅から徒歩5分)
また、それらの時間を取るためには、自分の余裕がなくてはいけなくて、子どもの預け先があるといいとおっしゃっていました。
 a littleの家事サポートでは、お子さんと一緒に過ごし、料理や掃除をすることをしていますので、プレシングルの方がひとりで学び考える時間を作るのために手伝えるのではないかと思いました。

 

支援は、「してあげてる」が強くなるが、支援を受ける人は、なにも返せない自分に対するつらさがある。対支援者、支援される側、という関係性を考えていきたい。そして、何よりも決定の自立の大切さ。その方が決めたことが一番大切です。

最後に安木さんがおっしゃった言葉です。

「支援」とはあたかもプラスの意味をもつ言葉のようですが、実は人を傷づけることがあるということを安木さんはおっしゃたのではないかと思います。自分が優位に立ち、相手の自信を奪うような関係を作ってはいけない、ということだと思います。
 今回の内部研修は、学びが多く、研修後も考えが止まりませんでした。これからWAM助成を通して、a littleでは「支援」とは何かについても考えていきたいと思っています。(大和陽子)