2020家事サポートを振り返ってpart2

7月
家事サポートを再開しました。

再開までに医療従事者の話を聞き、他団体の話を聞き、a little の感染対策マニュアルを作成しました。

ふりかえってみれば、丸5年の活動の中でも、インフルエンザや胃腸風邪が流行る時期には、どのようにサポートできるのか、迷いながら活動していました。

今回感染対策マニュアルを作成したことで、あらゆる感染症に対してやみくもに怖がらなくてもよいと家事サポートSP全員が共有できるようになりました。

同時に、感染症に対する不安、健康状態などは個々人で異なることも理解を深める期間でした。
利用者さん、SPさんとの面談時には、ひとりひとりが感染症に対してどのように感じているかを聞き取り、してほしくないこと、できないことを尊重するようにしています。

8月には、「西宮市新型コロナウイルス感染症に伴う育児支援サービス利用料金補助金」制度が発表され、a little への問い合わせが増えました。

お二人目のお子さんが生後2か月という女性は、
「家事サポートというものを利用したいと思っていたけど、調べる余力がありませんでした。今回補助金がでることで、夫が調べて電話してくれました。」
「3月に制度が終わっても、継続すると思います。きっかけさえあれば、利用したい人はいると思います。」
そう話してくれました。

行政の制度がきっかけになり、それが地域の助け合いにつながり、地域力を高めていく、そんな構図が今後も継続していくにはどうしたらいいのか、今後も考えていきたいです。

9月には、SPさんを募集し、二日間の研修を実施しました。
a little運営メンバーのみが講師の初めての研修に、4名の方が参加してくれました。

SP同士の交換研修もスタートしました。
「すぐに実際の家事サポートに行くのは不安」
そんな声に応える気持ちもありましたし、同時にサポートを受ける経験もしてほしい、そんな思いもありました。

家事サポートを申し込むまでの利用者さんの葛藤
誰かに家事を頼むことへのためらい
自分を責める気持ち
恥ずかしい気持ち
と同時に、サポートを受けたあとのほっとする気持ち
自分も無理してきたんじゃないかと気づくこと

家事サポートを受けることで見えてくることがたくさんあります。
サポートに行くまでに、受ける経験をしてもらうこと
これはa little の理念を共有する上で大切な過程になることがわかりました。

新SPさんのデビューと西宮市の補助金制度利用が重なり、2名体制でサポートに伺うことが増えました。
新SPさんにとっても、経験の長いSPさんとペアになることで安心してサポートに臨めるようになりました。

今年サポートさせてもらったたくさんの赤ちゃんたちです。

ふたごちゃん。
出産1週間前に面談に伺い、退院の次の日からサポートに伺いました。

里帰り出産中の女性のお母さんがa little に連絡をくださり、サポートに伺うことができました。里帰りと言っても、家族だけでサポートする必要はないのです。

こちらも妊娠中につながることができました。今も継続して伺っています。

沐浴も、ペアで入ることで新SPさんも安心して臨むことができました。

ミルクの時間もとてもしあわせです。

料理もたくさん作りました。

定番の和総菜から

a little レシピ集からのメニュー

なべいっぱいの煮込みメニュー

その日冷蔵庫にあるもので

SPさんも台所に慣れてくることで、安心して作れるようになっていきます。

お掃除の依頼ももちろんあります。
ペアでサポートに伺う時は、料理担当と掃除担当に分かれます。

先日は年末ということもあり、
ベランダや玄関まわりなど、ふだんの掃除+αのお掃除をしました。
いつも、「私だったらここしてもらえたら嬉しいな」を意識しています。
ぜったい後回しになるところをふきとる、
自分のいつもの掃除の「プラスちょこっと」
プロではないけれども、そこしてもらえたらちょっと嬉しい、そんな掃除ならできるかな、と思っています。

私と利用者さんとのやりとりを聞いて、料理を担当してくれた新しいSPさんが「私も、掃除も担当してみたくなりました!」と話してくれたのが嬉しかったです。

サポートの依頼は、産前産後だけではありません。
ご自身や家族が体調を崩すことにより、生活環境が変わることは長い人生のあいだに誰にも起こりうることです。

高校生のお子さんのお弁当を作ったり

3世代が一緒に暮らす大家族のごはんを作る
そんなサポートもありました。

母であり妻であり娘であり働く女性であり
そんな何役もの役割をこなす女性たちが、自分を過ごす時間をとりもどしてほしい
活動しながら固まっていったa little の理念を再認識する時間になりました。

a little の家事サポートは、利用者さんにとって少し面倒もあるかもしれません。
私たちの家事サポートは「お金を払う対価として家事サポートを受ける」というだけの一方通行の活動ではありません。
この助け合いの仕組みを地域に広げていくためにともに活動する会員同士、ということを面談でお伝えします。
サポート日程の調整をお願いしたり、新しいSPさんや経験の長いSPさんどちらも受け入れてもらう中で、利用者さんも誰かに頼むことがじわじわうまくなっていきます。

「安心」には最初の一歩のきっかけや勇気、そして少しの面倒が切り離せないのですが、それを上回る喜びを来年もみなさまと共有していけることを願っています。

(kyoko)

part1はこちら
https://alittle.sakura.ne.jp/wp/archives/3012