【wam】ひとり親支援に関する内部研修の報告

ひとり親支援のための内部研修の4回目は、講師の安木麻貴さんの活動についてお話ししていただきました。(しんぐるまざーず・ふぉーらむ・関西・神戸ウェスト)

ご自身がシングルになってからの軌跡を写真と共にしんぐるまざーず・ふぉーらむの活動が安木さんとお子さん、そして当時の仲間を支える力になったことを教えていただきました。

研修4回を通して、ひとり親のしんどさは、個人の問題ではなく、女性の就業の問題、それに伴う経済的な困難、そして制度や支援があっても「助けて」と言えない状況にあることなどを知りました。安木さんの言葉で印象的だったのは、「生活の基本的なことが満たされていない状態のときには、人の輪に入っていけない。公な支援でじゃぶじゃぶになってこそ、次に民間に入っていけ、そしてそれがじゃぶじゃぶになったとき、ようやく「何かしたい」と思える」ということです。しんどい状況にある人が「じゃぶじゃぶ」の状態を作れるよう、公な支援が受けられる環境に触れるきっかけをa littleは作っていけばいいのだと思いました。

第二部は、西宮の民間団体(NPOや企業など)を紹介。各団体の得意をいかし一人親をサポートできることがあります。それをa littleのメンバーが知っておくことで、必要なときにひとり親の方にお伝えすることができます。子ども食堂のお弁当や地域の生活支援などの団体さんに実際につながった例などをサポーターと共有し、今後も身近な一人親の方に情報が届けられるようにしたいと思っています。

4回を通してa littleのサポートメンバー「SP」さん(スペシャルパートナー)だけではなく、地域の団体さんやそのほか個人の参加、臨床心理士さん、メディアの方、また市議さんなどにもご参加いただき、関心を持っていただきました。感想の一部をご紹介します。

<参加者の感想>

〇ひとり親家庭の問題は、生きづらさを声に上げることもままならず、自己責任として当事者自身も気付くことが難しかった事だと思います。

〇目の前にいる人を大切にする活動にしていきたい。

〇これまで出来ていなかった、子育て世帯へのサポート体制を、様々な団体・機関と連携しながらつくっていきたいと思います。男性の力、影響も今後支え合いや繋がり合いの可能性の1つ鍵と感じたので、実践を通じて検証したいと思います。

〇「ひとり親」をテーマにじっくり話を伺うのは、実は初めてでした。子どものこと、自分自身のことで直面する壁や、さまざまな支援制度、ひとり親の声、安木さんのご経験から、学ぶことがとても多かったです。研修が終わって、必要なサポートにつながる最初の一歩をどう踏み出せるか、まわりでできることは何かを考えています。

〇もっと手厚い行政サポートが必要で、横につながるサポートが必要だと思いました。

また、今後死別もあるかもしれないし、身近でひとり親になる決断をした友人もいるので、他人事とは考えられないと感じた。

〇ひとり親の支援の中でお金は切り離せない領域となっている。ひとり親世帯(特に母子家庭)の貧困率が下がらないのは、諸外国と比べても、社会の構造的に働くことが容易ではないことだと思っている。今回の研修では、支援できるお金の話をたくさん聞き、知らないものも多かった。今後このような内容をいかに当事者に伝えていくのかが大事だろうと感じた。

〇ひとり親家庭の現状や当事者の思いをお聞きして、大変勉強になりました。ただ、みなさま一人一人状況が違うであろうし、私にはまだまだ想像が及ばないご苦労や不安があると思います。その中で自分にどんな支援が、何ができるのか、何か不用意な発言をしてしまったりしてかえって邪魔をしてしまうのではないかという不安もなくはないです。ですが、できるところから活動させていただいて、経験を積んでいけたらいいなと思っております。

最後に講師の安木さんからも感想をいただきましたので、ご紹介します。

<講師:安木さん>

今回、a littleさんの全4回の研修に参加させていただき、自分たちの活動、学ばなければならないことを振り返ることとなりました。これまで関わってきたいろんな方に対してのサポートは充分だったのであろうかという反省も溢れますし、また、なぜ私たちが今の活動を続けているのかということも改めて考えさせていただける機会になりました。 自分たちのなかだけで終結するのではなく、いろんな方たちと交わりながらこれからも活動を続けていきたいと思います。 お互いの変化を味わえあえるような関係性でこれからもよろしくお願いいたします。 リトルの皆さんのご活躍、期待しております!


この研修を通して様々なことを学びつつ、実際にひとり親の家事サポートもスタートしています。背景を知ったことで、以前よりまして、a littleのメンバーがひとり親の生活の一部分になれたらと思っています。また、これから西宮で一緒に活動できる仲間を増やす活動も広げていきたいです。(大和陽子)