リトル広島の旅 1 さかぐちゆうこ編


伝承者という存在を知っていますか?広島の原爆体験者の証言を本人に代わって語り継いでいく人のことです。

https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/atomicbomb-peace/10164.html


私が知ったのはa littleのメンバーそれぞれの夢を語る会を開いたときでした。大人になると忙しい日常の中で夢を語ることが減っていきますよね。仲間内で語り合うことでそれぞれが影響し合い、自分らしさを担保していく時間になっています。 その中でも細見葉菜さんの話してくれた伝承者になりたいという夢は、平和な世界を子どもたちにつないでいく大切なもので、すぐにでも始められるものでもあったことから、その伝承者になりたいという夢を実現するために一緒に行動していこうと広島平和学習ツアーを組みました。


リトルメンバー4名での女旅です。広島についてバスに乗りながら「子どもを産んでから自分のために旅行に出たのは初めてだね。」と話したのが印象的でした。それぞれに子どもを家族に預けて大人だけで出かけたのです。これは簡単なようで難しいことでもありますよね。私はリトルの活動を通して、多くの女性が自分のやりたいことの優先順位を下にして、家族を優先に生きてきたのを見てきました。これまで出会った女性には何度も「自分のことを優先順位の一番に持ってくる時間や場所を月に一度でも作ってね」と伝えてきました。そういった意味でも、旅の始まりから感慨深い旅でした。

伝承者というのは20数名の原爆体験者の中からこの人の証言を引き継ぎたいと決めて、その証言者に付いて数年学ぶそうです。 葉菜さんご縁を感じたのが「岡田恵美子さん」という方で、葉菜さんが事前に連絡を取ってくれ岡田さんと会って話を聞くことが出来ました。岡田さんの伝承者になりたいという伝承者を目指している方やすでに伝承活動をされている方々も日を合わせて集まってくれ、資料館の地下の会議室を予約して待っていてくれました。その暖かさにも感動しましたが、私たちがこのツアーを組もうと思ったのと同じように、葉菜さんの人柄がそのような場を作るのだなと思いました。

岡田恵美子さんは8歳の頃、朝ごはんを食べているときに原爆投下されました。 岡田さんが住んでいた家の辺りから、火から逃げ道のり、見た悲惨な光景、家族のその後 話を聞いた次の日にその道を伝承者のかたにガイドしてもらいたどりました。 岡田さんは 「この話を誰かに伝えてね」 「平和な時代に生きてる大人は核を減らす行動をとらないといけない」 「戦争は広島だけで起きたのではない、全国で世界で起きている。どうか罪のない子どももたちを守って欲しい」 そう言われました。 岡田さんご自身も日本全国、世界を周り伝える活動をしているそうで、核保有の国にも行ってきたそうです。 本当におっしゃる通りだと思います。 これからは考えるだけに終わらず、行動していこうと旅の仲間と話しながら帰ってきました。
 
今年はコロナウイルスの影響であらゆるところで制限がかかり、考え方の違いが浮き彫りになり、活動自体が苦しいと感じる場面もありましたが、違いを受け入れ出来ることを探ることが出来た年でもありました。やっぱり思いを語り合える仲間がいることは幸せなことだとこの文章を作りながらしみじみ思います。次の広島平和学習ツアーは是非ご一緒しましょう!!