市長との意見交換会

赤ちゃんを抱いている会員さんがはなしているところ。赤ちゃんの声に皆の顔が和らぎます!

6月9日㈫11:30~オンラインにて開催しました。

2月に引き続き「妊産婦のケアの重要性」がテーマです。

西宮市の子ども子育て支援プランに則って進めていく施策の中で、西宮で産前産後を過ごす人々がどんな暮らしをしているのか?市民目線からの意見を届けるのが目的です。

コロナウイルスの影響でZOOMという会議システムを利用して、オンラインでお話させていただきました。

コロナの影響は妊産婦に大きく降りかかっています。

唯一の情報源でもある産院や行政のマザークラスや両親学級が休止になり、不安を抱えたままお産に向う方が多くいます。子育て広場や乳児検診も休止になり行き場を失った方が多くいました。この時期の不安を抱えていると後々悪影響が起きることは簡単に想像が出来ます。a little ではつどい場や電話相談、産前産後の方向け講座、マタニティヨガなどを全てオンラインで行いました。

妊産婦のケアが必要な理由は多くあります。

妊産婦の自死“が増えています。本来なら幸せな時期なはずが不安と苦しみでいっぱいになってしまうのはどういった背景があるのでしょうか?

“核家族化”は子どもと触れ合ったことのないまま親になる人を増やし、近隣とのつながりを希薄にするという側面があります。SOSの出せない人が増えています。

“女性の社会進出”により晩婚化が進み、その親も高齢化しています。親に助けてもらうどころかダブルケアに陥ることもあります。親世代も定年後も働いている人が多く頼れない人も多くいます。ケアが女性ばかりが担うことになる現状があります。

“転勤”などのパートナーの仕事の都合で地元を離れ、右も左も分からない土地で不安を抱えたままお産を迎える人も多くいます。小さな子どもを連れて引越しを余儀なくされる場合も多いですね。孤独な子育てへとつながっていきます。

“共働き”世帯が増え、家と職場の往復の毎日を過ごし、夫婦そろって地域とのつながりがありません。

右も左も分からない夫婦は夫婦だけで頑張ろうとしてし、産後うつ産後クライシスにつながります。

状況が悪化した場合には虐待DVの原因になることをもはらんでいます。

子育ては社会でするものだと聞いたことはあっても、いつから何をどんな風に助けてもらえれば良いか分からないのです。

長時間労働に転勤のような働き方、女性が働きながら子どもを早く持ちたいと思えるような環境は整っておらず、男性社会の中でそのしわ寄せの多くが女性にかかってきています。

そして、男性のうつも増加しているのも問題の一つです。

社会的に作られた男女の役悪分担“ジェンダー“は根強く、社会の中にも、それぞれの内側にもあり、男らしく、女らしく、母親らしく、父親らしく、と知らず知らずのうちに沢山の荷を背負い社会生活を送っています。

本来の自分が姿を隠し、そのねじれの中で苦しんでいる人も多くいます。

これは個人の努力の問題というよりは社会の問題です。

女性の社会進出も共働きも悪いことではありませんよね?そのようなライフスタイルを取りながらも子どもを産み育てていくことが出来れる社会であればいいのです。男女のどちらかだけに負担のかかる子育ては二人が望んでそうなっているわけではないと思います。

長時間労働や制度があっても男性には使いにくい育休は男性を子育てから遠ざけます。

他人に迷惑をかけてはいけないと家族単位で問題を解決しないといけないこの雰囲気・・・受援力の無さは問題の発見を遅らせ重症化してしまいます。

解決策の1つが予防です。

妊娠中から出会い、ケアプランを立て、定期的に見直していく伴走者が付くことが理想ですね。

専門家じゃなくても自転車で移動できる範囲で、地域に住む子育て経験者がサポートすることも出来ます。

子育ては常にアップデートが必要ですし、ストップすることが出来ません。

その時々に合った行政サービスへのマッチングがきめ細やかにされることが必要です。

なにより見方だよ!一人で頑張らないで!とのメッセージがいつも届く場所に誰かが寄り添えると良いですよね。それは一人の人や一つのサービスではなく、それが重なり合いハンモックのように支えられたらどんなに良いかと思います。

リトルの活動の紹介をさせてもらいました。

2月に引き続きリトルの活動を紹介させていただきました。意見交換会と言いつつ、ほとんどこちらの話を聞いてもらう会になってしまいましたが、産後数カ月のメンバーも赤ちゃんを抱いて参加してくれたのでタイムリーな声を届けられたのではないかと思います。

a little の活動の中で大切にしているのは、助ける助けられるは行ったり来たりするということです。

産前産後の方向けに進めているファミリースタートという活動もその一つです。

外出しにくい時期にボランティアが自宅にまで話し相手になりに行くというものです。それは話を聞くだけではなく必要な行政サービスを紹介したり、つどい場やイベントなどにも声かけをさせてもらうこともあります。そうすることで地域とつながり、孤独な子育に陥ってしまわないようサポートしています。

ボランティアは子育て経験があるというだけではなく、専門家から産前産後に特化した講習を受けている、地域の人たちです。申込があれば家の近い人がコーデネーターから紹介されます。

この活動を利用した人が次は、もうすぐ担い手となり活躍するというところまで来ています。

この西宮で子育てのバトンがつながり始めています。

行政サービスは市民にとって最大のセーフティネットです。ですが行政サービスにも限界があり、もう待っているだけでは成り立たない時代が来ています。

行政と市民が共同して市民サービスを作り出していくことが求められています。

市民自身で作り出していく助け合いの仕組みを西宮で広げていき、誰もこぼれ落ちない社会にになるよう活動を進めていきたいと思います。

市長!お時間いただきありがとうございました!

次回の市長との意見交換会は10月6日㈫の予定です。

会員さんでしたら誰でもご参加いただけますので関心のある方はお声かけくださいね。

(さかぐちゆうこ)