【ワム助成】ひとり親支援のための研修報告

ひとり親支援のための内部研修3回目のテーマは「子どもの教育費」でした。複雑な制度や難解な用語を目にしてもどんな支援なのかイメージがつきにくいのが行政用語です。資料を見てもわかりにくい。これを、ひとり親家庭の人がみて「難しそう」「利用できなさそう」と思っているのではないかと想像します。

サポーターである私達としても、きちんと知っておき、必要なときに必要な方にお知らせしたい。その思いから、講師にしんぐるまざーず・ふぉーらむ・関西・神戸ウェストの安木さんに解説していただきました。

高校や大学の授業料・奨学金については、ひとり親家庭に限らずどの家庭においても高額で頭の痛い問題です。しかし、収入がひとつであるひとり親家庭では、「うちは出すお金がないから」と諦めてしまう家庭があることは想像に難くありません。安木さんによると、現在はたくさんの制度があり、子どもが小さい頃からプランを立てうまく利用すれば大学に行く費用も準備できるとのこと。そのためには、情報を知っておく必要があります。

奨学金というのは子どもたちが将来自分で返すものです。子ども自身がそれを理解し、書類を用意して提出します。複雑な奨学金制度を理解して、調べて、提出物を揃え、書類を記載することを高校生がひとりでするのは、とても難しいことです。情報を教えてくれ、それを活用できるように伴走する人が必要ではないでしょうか。学校かもしれませんし、もしかしたら行政の仕事なのか、NPOなのか…。安木さんのお話を聞きながら、思い当たったのは、ユースセンターです。親に相談しにくくなってくる思春期以降の子ども達が相談できる場所。今、西宮市にはそんな場所はありません。ひとり親家庭の子ども達だけでなく、すべての子ども達に必要なのではないかと頭に浮かびました。

長くなりましたが、もうすこし続けさせていただきますね。

第二部のテーマは「親子の関係」についてでした。

安木さんのご経験から、ひとり親家庭特有の心配としては、外の価値観が入りにくく、親(父親だけ、または母親だけ)の価値観が子どもへの影響が大きいとのこと。ひとつの価値観が絶対とならないためにも、子どもたちが様々な価値観に触れる機会があるとよいとおっしゃっていました。安木さんのお子さんが小さいときには、職場にお子さんを連れて行ったり、無料学習支援の場に連れていき、いろんな大人に触れ、いろんな言葉を聞き育ったといいます。そのことで自分の母親の考えがすべてではないと知ったのではないかと振り返っておられました。

a littleの活動では、子連れで一緒に食事をしたり、託児ボランティアさんに子ども達の見守りをお願いしてきました。そのことも、こども達がさまざまな大人に出会うきっかけになっていたのだと改めて思いました。子どもが育つ過程でさまざまな経験をすることは、いろんな価値観に出会い、自分のことも知ることにつながるのではないかと思います。

今年度、a littleとしてひとり親の家事サポートモニターをスタートし、ひとり親の方にお話を聞く機会が増えました。仕事が忙しく、週6日間働いている方や、夜遅くまで働いている方、体調不良の方など、どうしても地域の人と出会う時間が少なくなる環境におられます。母子が地域から孤立しやすい環境にあり、実際に近所の方と交わえる機会は少ないと思います。

家事サポートで週に1回、合計12回、サポーターが伺うことが地域との接点になるのではないかと思っています。親子の関係にプラスアルファの価値観が少し入ることで何が生まれるのか、それが分かるのはもっと先になるのかもしれませんが、まずは、2時間のサポートがひとりで家事・育児をがんばっている方の負担を軽くすることになればと思っています。

安木さんによるひとり親支援のための研修は残りあと1回です。

次回は10月24日(土)13時~15時です。

オンライでの開催です。

最終回なので、参加者と意見交換の時間を多く取りたいと考えています。

関心がある方はご参加ください。ご連絡いただければと思います。